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第8回 好きを仕事にする大人塾=かさこ塾 ●かさこ氏

kasako2三宅:私はfacebookをやっているのですが、本当に毎日といっても過言ではないくらい、タイムラインにかさこさんの記事が流れてくるんです。誰かがかさこさんのブログ記事をシェアしたり、イイネしたりしてて、情報が流れてくるんです。

かさこ:そうでしたか。

三宅:最初は気にしていなかったんですが、しょっちゅう目にするものですからいい加減私も気になりまして(笑)、一体、誰だ?と興味を持ちブログなどを拝見させていただくようになりました。

かさこ:そうなんですね。どれくらい前からですか?

三宅:ここ1~2年くらいです、かさこさんを知るようになったのは。そんなわけでブログやホームページは拝見していますのでざっくりとした「かさこさん」は存じていますが、直接お話を聞いてみたいなぁと思いまして、インタビューをお願いした次第です。

かさこ:いろいろ取材依頼がありますが、こんなに丁寧な依頼はなかなかありません。

三宅:えー、そうですか、丁寧でしたか?

かさこ:はい。とても丁寧な文章でしたし依頼内容や流れが整然としていてうれしくなりましてお受けしようと思いました。

三宅:それにしてもクイックレスポンスでびっくりしました。メールしたら3分くらいで返事くださいましたよね。

かさこ:問い合わせのメールをくれたのが夜中の2時くらい、でしたよね?感じがいい依頼だったのですぐにお返事しました。

三宅:クイックレスポンスというのを普段から意識してお仕事されているんですか?

かさこ:そうですね。メールでやりとりすることが多い仕事なので返信はできる限り早くするようにしています。わりと早い方だと思います。

三宅:かさこさんはセルフブランディングの塾を主宰されているんですね。

かさこ:塾生に宿題を出しているので、その添削のやりとりをメールでしています。卒業生とはfacebookのメッセンジャーでやりとりすることが多いです。だいたい夜中の0時から2時頃はパソコン画面にメッセンジャーの窓が4つぐらい開いていて、同時進行でやりとりしてたりします(笑)

三宅:チャット状態なんですね。あらためて自己紹介をお願いします。

かさこ:中央大学を卒業して、サラ金のアイフルに就職したんです。そこで2年働いて融資のトップセールスマンになりました。仕事自体は楽しかったのですが、やっぱり好きなことをしたい、好きなことを仕事にしたいと思い、サラ金を辞めて4か月くらいアジアを放浪しました。そのあと「好きを仕事にしたい」と思い、マスコミ業界に転職しました。25から37才まで編集プロダクションで、社員としてライターとカメラマンの仕事をしていました。そのかたわらブログ、ホームページを発信していたのですが、ネット経由で個人でも仕事が取れていたので、独立してフリーランスになりました。

三宅:独立したのが2012年なんですね。

かさこ:はい。当初はカメラマン・ライターでバリバリ仕事をしていたのですが、ブログ術のセミナーをやってと人に頼まれて始めたかさこ塾のニーズがけっこう出てきまして好評といいますか、反響が大きくなりまして。
それでも2014年まではライターとカメラマンの仕事が7割、かさこ塾が3割ぐらいだったのですけれど、今はもう反転してかさこ塾のほうが8割ぐらいになってます。

三宅:それが「好きを仕事にする大人塾・かさこ塾」っていう名前で、全国で行われているセミナーなんですね。

かさこ:好きを仕事にしたい人やネットで発信して人生を楽しくしたい人向けにやってます。講義の内容は、ブログの書き方、SNSの活用法、自己紹介の仕方、名刺の作り方などです。

三宅:私の名刺はどうでしょうか。採点するとするならば・・・。デザインとかどうでしょうか。

かさこ:デザインうんぬんの前に、何ができるのかがわかるかどうかをポイントにしています。例えば、インテリアコーディネーターとなっていますが、個人向けなのか法人向けなのか、とか、住宅のコーディネートなのか、それともオフィス周りのことをやっているのか、とか。そういうのがわかる情報が名刺に書いてあるといいと思います。

三宅:なるほど!かさこ塾の塾生の男女比はどれくらいですか。

かさこ:女性が7割です。

三宅:わたし、ちょっと調べてみたんですけれど、すんごいびっくりしたんです。かさこさんの塾生、卒業生、どんな人がいるのかなぁって調べたら、えっといろんな肩書がありました。
「感情トレーナー」「クリスタルボウル奏者」「ふんどしマイスター」「心の応援アドバイザー」 「水中モデル」「おうち魔女」「チベット音感セラピスト」「手帳コーチ」「銀河系ヒプノセラピスト」・・・もう謎だらけですよ。私の職業はインテリアコーディネーターでして、私もいろんなお客様とお会いしてお話をする仕事なんですが、たいていは、学校の先生、大学の教授、お医者さん、会社員、会社役員、自衛官・・・聞けば職業のイメージがすぐできる人たちです。

かさこ:なるほど。

三宅:かさこさんの塾生、銀河系ヒプノ・・・とか、おうち魔女とか、もう全然ミラクルで、衝撃的でした。それで、ずいぶん変わった人たちばかりを相手にお仕事をしているのだなぁと思いまして、ややこしいというか、めんどくさ・・・・あ、いや・・・なんかそんなことないですか?

かさこ:変わった方が多いんですけれど、みなさん本当にユニークです。手帳で仕事をしていたり、ふんどしでも仕事にできていたり、いろんなことで仕事にしている。スピリチュアル系、セラピストも多いです。面倒なんかじゃなくて、とっても楽しいです。いろんなキャラクターが集まるロールプレイングゲームの「ドラゴンクエスト」みたいな世界です。

三宅:ご自宅が職場、ということですよね?私はインテリアコーディネーターなので家のことが気になったりするのですが。いわゆる仕事部屋というのがあるのですか、それとも、リビングの一角でパソコン広げてます、みたいな感じですか?

かさこ:リビングとは別で、6畳の部屋がありまして。そこに机を置いて、妻のPCと私のPCを置いて、仕事しています。

kasako3三宅:奥様も同じお仕事をされているんですか?

かさこ:いえ、妻はOLです。

三宅:かさこさんは朝何時に起きるんですか?

かさこ:8時です。取材やセミナーがない日は8時に起きて、9時に娘を保育園に連れていくのが日課です。17時半に保育園にお迎えに行くまでの間が、仕事をする時間です。
塾生の宿題を添削したり、塾の運営、セミナー受講者の入金の確認とかメールとか、財務作業を含め、家にいるときはほとんど一日中PCに向かってます。

三宅:スマホ、とかじゃないんですね。

かさこ:私は1975年生まれですがスマホになじめない世代(?)で、スマホに変えたのもつい2年前です、それまではガラケーでした。サラ金に勤めていた頃から早い時期からワープロは持ち歩いていたので、キーボードがある方がラクなんです。今でもなにかあればパソコンです。

三宅:家事はされるんですか?ご飯をつくったりとか?

かさこ:平日仕事で家に一人でいる時はお昼ごはんは自分で作ります

三宅:どんな?

かさこ:温かいそうめんとか。そこに野菜をいっぱいいれて。あとはパスタとか。

三宅:麺系なんですね。

かさこ:麺系ですね(笑)あとは一人で鍋をしたりとか。

三宅:かさこさんのトレードマークといえばピンクのシャツ。「何枚持っているんですか」といつもみんなに質問される、ってブログに書いてありましたね。だから「ユニクロで買って、3~4枚所有してます」って、もう、聞かれる前に答えておく、っていう。

かさこ:特別ピンクが好きでもないんですけれど、ピンクのシャツを着る男の人は珍しいのとみなさん覚えてくれるので。

三宅:ちょっと変わっている人、という印象がありますが、A型なんですよね?血液型。

かさこ:そうです。たしかに少し変わっているのかもしれませんが、そこだけしか見ない人はAB型ですかとかB型ですかとか言われますけれど、こんなに繊細で、こんなにマメで、こんなに神経質ですからやはりAなんです。

三宅:自作自演インタビュー、っていう記事を拝見しました。自分で自分に突っ込んでるのがおもしろいなぁと思いました。

かさこ:よくやるんですよ。藤原新也さんっていう写真家&作家がいるのですが、藤原新也さんが好きで、ほとんど著作を全冊持っているんですが、その本の中でインタビュー記事があったんです。藤原さんってどっちかっていうとちょっとこわもてな感じの人なんですが、その人に対してすごくいろいろ突っ込んでいる。誰がこんなインタビューできたんだろうって思ってたら、最後に、自作自演インタビューでした、って書いてあって。面白いなーって。

三宅:へぇー。

かさこ:なので、自作自演インタビューを私もよくやるようになりました。私が自費で出版で印刷してみなさんにお配りしている無料冊子=セルフマガジンがあるのですが、ここにも自作自演インタビューを載せています。

BLOG

三宅:ありがとうございます。あとでゆっくり拝見させてもらいます・・・あれ?(掲載されている写真と、眼の前にいるご本人を見比べて)なんだかお痩せになりました?顔が・・・違う。

かさこ:そうなんです。塾生の中に「断食アドバイザーの断食メガネさん」という人がいまして、お話聞いて面白かったんです。断食で人生が変わったと。それで断食をしてみたんです。3日間。

三宅:飲まず食わずですか?

かさこ:いえ、水は十分に飲んでいいし、酵素ドリンクも飲んでOKです。あと、1日1個なら梅干しもOK。そしたら痩せました。

三宅:それがきっかけでやせたのですね!

かさこ:学生時代から毎日ポテトチップスを欠かさず1袋食べる生活してたのですが断食きっかけでやめることができました。

三宅:かさこさんはお会いするととても穏やかで控えめで、たぶん人見知りなんだろうなという感じがすごくするんですけれど、ブログでは毒舌というか、ちょっと挑発的なことを書いたりしていますよね。あれは、どこまでが狙いで、どこまでが素なんでしょうか?

kasako1かさこ:注目されてナンボというか、あえて汚い言葉を使ってみたり、物議をかもしだすように、賛否両論あるところにぶつけていくほうが、話題になりやすいですし、議論も深まりますし、自分を知ってもらうきっかけにもなります。炎上商法じゃないですけど。言葉のひとつひとつすべて意識して選んでいます。「バカ」にするのか「アホ」にするのか、いやここでは使わない方がよいのか。すべて意識的に言葉を選んで使っています。そもそも文章を書くライターが本業ですので。

三宅:「嫌われる勇気」っていうのがいま話題になってますが・・・かさこさん、あんまり気にしなさそうですね。

かさこ:「嫌われる勇気」はすごい本だと思っていて絶賛しているんです。ネットで発信をして好きなことを仕事にしましょう、ブログでいろいろ伝えたいことを書きましょうと、塾でアドバイスしていますが、でもそんなことしたら嫌われちゃうんじゃないかとか気にして気にして気持ちを押しこめちゃう人がたくさんいるんです。でもそれでは人生楽しくない。嫌われる勇気が必要。特にこの本にかかれている「自分と他者との境界線を引く」というのがとても大切なので、「嫌われる勇気」は人に勧めています。

三宅:カメラマンとライターの仕事を減らして、いまはセミナー業がメインになったとおっしゃいましたが、10年後、どんなバランスで仕事していたいとかのビジョンはありますか?

かさこ:長期的な目標はないんです。そもそもこの「かさこ塾」でさえ、ここまで広がるとも思っていなかったですし。
最初は3か月に1回くらいのペースだったのがニーズが増えて回数が増えて、こっちのほうがたのしくなったというのもあって、今のバランスになっただけなので、セミナー業をやりたい!増やそう!と思って、今のようなスタイルになったわけではないんです。

三宅:ニーズに従って求められるまま流れに乗って決めていくということでしょうか。もしかしたら将来、まったく違うことをやっている可能性もある?

かさこ:そうです。

三宅:行動は早い方ですか?思い立ったらすぐやらずにはいられないのか、それとも逆なのか。

かさこ:慎重派なので石橋をたたいて渡るタイプです。石橋をたたいて叩いて、しっかり叩いてから、渡ります。ただ、その、叩く作業と、「OK」と判断するのがとても短いのが私の特徴なのかなと。

三宅:素晴らしいですね。私は、思い立ったらすぐにやる人なのですが、石橋なんて一切叩きません。足を動かしてみたら、そもそも橋がなかったというパターン、とかの、O型です。

三宅:チベット、インド、ネパール、その他もろもろ世界中を旅しているかさこさんですが、まだ行ったことのない国、行ってみたい国はありますか?

かさこ:南米がまだ行ってないんですよね、マチュピチュとかウユニとか。

三宅:何か国語話せるんですか?

かさこ:謙遜とかじゃなくて全然話せないんです。英語も。

三宅:えぇ!それは意外でした。

かさこ:そもそも、いままで行った国の半分以上は、英語なんか通じないところでしたから。ジェスチャーとか紙に書いたりとか、とにかく身振り手振りです。世界中を旅して、撮った写真集も13冊出版しているので、良かった見てください。建築とか見るのならチェコとか面白いですよ。

三宅:メガネかけてますけど、何本お持ちですか?

かさこ:基本、1本です。前に作ったのを予備で置いておいてるだけで、そんないろいろかけ替えるとかやらなくて、基本、1本です。

三宅:目が綺麗ですね。

かさこ:そうですか?ありがとうございます。でも、たまに、それ、人に言われます。

三宅:なんか吸い込まれる感じが、します。

かさこ:そうですか(笑)

三宅:今年、チャレンジしたいこととか、新しい試みの計画などはありますか?

かさこ:日本全国でやっている「かさこ塾」ですが、今年はヨーロッパで開催することが決まっているんです。フィレンツェと、パリと、オランダ。

三宅:わぉ!

かさこ:来てくれるのは、現地で暮らしている日本人ですけれど、そういった海外在住のかたもけっこう私のブログは見てくれていて、好きなことを仕事にしたい、起業したい、セルフブランディングどうしようっていう人が多いので。海外で講義をするのは初めての試みなんです。

三宅:かさこさんは、ライバルというか、気にかけている同業者というのはあるんですか。

かさこ:同業者でもライバルでもないですけれど、今気にしているのはキングコングの西野さんで、面白いなぁというか、いろいろ参考にしています。ネットの発信をうまく利用しているような人をやはり参考にしています。

三宅:スタッフが欲しいとか、アシスタントが欲しいとか、そういう希望はないんですか?
あるいは、のれん分けっていうか、「かさこ塾」の思想を受け継ぐ弟子を募るとか、そういうのはいかがですか?

かさこ:それは考えてないです。例えば名古屋でかさこ塾をするっていうときに、名古屋にいる塾生、卒業生が、場所の手配をしておいてくれるとか、そういうお手伝いをしてくれる人はいて、助かっているのですが、スタッフを抱えるつもりはありません。のれんわけ、弟子はビジネス的にいえばそのほうがいいのかもしれませんが。たとえばかさこ塾を卒業したら、次はかさこ塾開催講師マスター講座なんちゃら、受講料50万円とかでライセンスを与えてとかそういうのがビジネスモデルはあるのでしょうけれど、私はそういうのはやりません。
かさこ塾を誰かが引き継いでも、それは劣化版にしかならないからです。

三宅:なるほど。

かさこ:「かさこ塾」は、SNSのやり方とか、ブログの発信のしかたとか、そんなに奇をてらったことは言ってなくて、たぶん誰にでも教えられる内容だと思うんです。でも、ひとりひとりの塾生にだした課題の添削の内容とか、塾のコミュニティの作り方とか、そういうものは私にしか作れない。かさこ塾は私でしか作れない世界なんです。真似はできないと思います。

 

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kasako4かさこ氏

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。
撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。

かさこ塾ブログ http://kasakoblog.exblog.jp/
かさこワールド http://www.kasako.com/index.html

 

 

 

 

 

 

 

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編集後記:

待ち合わせよりもだいぶ早く着いて時間を持て余していた私は「そうだ、ちょっと気が早いけどバレンタインのチョコを用意しよう」と余計なことを思いつき、ぶらついて適当な、そしてちょっと高級そうなチョコを買ったのです。

インタビューの最中に、バレンタインの話になりましてね。
「高いチョコもらっても嬉しくないんですよね、板チョコのほうがよっぽどおいしい」

そして、インタビューが終わってからあらためてかさこさんに頂いた冊子、かさこさんの取り扱い説明書を読むとこんなことが書いてありました。
「荷物になることを極端に嫌うので、お土産の類はいっさいいらない」

何食わぬ顔で「わぁありがとうございます」と受け取るかさこ氏と、
何食わぬ顔で「どうぞ」とお渡しした私。

したたかな2人だ!(笑)

楽しいひとときでした、ありがとうございました。

かさこ氏

(2017.1 羽田空港国内線ターミナル 北ウィング カフェベネにてインタビュー・撮影)

 

 

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