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ちり

建築における【チリ】とは、仕上げ材が接合する部分の「隙間」や「段差」「ズレ」のことを指します。漢字では【散り】と書きます。
単なるズレはチリとは呼ばず、施工上の納まりを美しく見せるための意図的なものを【チリ】と表現します。

チリはなぜつける?

ドアとドア枠、壁と天井・床、建具、家具、いたるところに【チリ】はあります。【チリ】は、施工時の誤差を吸収したり、素材の伸縮(乾燥や膨張など)への対応、動作性の確保など、建築ではなくてはならない概念です。

調整のため:素材の伸縮や施工時の誤差を吸収する役割
動作のため:ドアや引き戸がスムーズに開閉できるよう
意匠的な効果:デザインとして

【チリ】は、たった数ミリ程度の段差にすぎませんが、しかし建築においてその数ミリは非常に重要な意味を持ちます。


ちなみに、一般的に施工時の指示はミリ単位で表記しますが、ベテランの大工さんたちは尺貫法で表現したりもします。

3mm=1分(イチブ)
9mm=3分(サンブ)
15mm=5分(ゴブ)
30mm=1寸(イッスン)
300mm=1尺(イッシャク)

※正確には、1尺=303mm

そこの窓枠、サンブのチリ、つけといてくれ

はいっ

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