いんすたでみたんですけど

クライアントとの打ち合わせで「インスタで見たのですが…」と切り出されることがあります。この瞬間、インテリアデザイナーや施工業者は内心、身構えるのです。

家づくりを終えた施主が、自慢のインテリアをインスタグラムで紹介するのはよくあります。特注やオーダーメイドで作り上げた空間は、どれもこだわり抜かれた美しさで、まさに「映え」を意識した写真が並びます。その画像を見た方が「我が家もこの通りにしてほしい」とインテリア業者に希望を伝えるのも、自然な流れでしょう。

しかし、いざ見積もりを出すと「高い!」という声が返ってきます。写真映えのいいデザインは、それなりにコストをかけて美しい納まりを作っているはずですが、実用性や予算とはまた別物です。例えば、機能性が少ないのに高コストな施工に対し「こういうのはおすすめしませんよ」と説明しても、「インスタでこうしている人がいるのに、なぜできないのか」と譲らないこともあります。

SNSの影響力は想像以上です。インテリアデザイナーや施工業者としては、時にハラハラしながらクライアントの理想と現実をすり合わせていくのが仕事なのです。

クライアント

インスタで見たんですけど、こんなふうに我が家も出来ますか♪

施工業者

なんなりと!(やべえ、高そう)

インテリア担当者

なんなりと!(ひゃー、またか)