ザ・リッツカールトン大阪
ザ・リッツカールトン大阪 3722号室に宿泊した際の
ホテルインテリアチェックのお話です。
3722号室は最上階の角部屋で2方向に景色を楽しめる、
スカイビューデラックスフロアのダブルのお部屋。
ドアを開けた瞬間、視界に入る廊下と、その先に見える部屋。
奥行きを感じさせるレイアウトというのは、ホテルに限らず住宅でもそうですが
自然と「期待感」を演出します。
全体像としてのザ・リッツカールトン大阪は
18世紀英国の伝統的な「ジョージアンスタイル」を
インテリアコンセプトとしています。
ロビーから客室内にいたるまで、18~19世紀にこだわった美術品や絵画が展示され
より上質な空間、人生の豊かさと質の高さを感じられるような演出になっています。
ザ・リッツ・カールトンでまず印象的なのは、マットレスの高さ!
通常私たちが目にする一般的なベッドは、床から45~50㎝ぐらいのところに
マットレスの上端がくるのですが
ザ・リッツカールトンの客室ベッドは、マットレスが70㎝の高さにあります。
これは、ダイニングテーブルと同じ高さです(笑)
ベッドに横たわりながらでも外の景色を楽しんでもらえるように、という思いがこめられている、というのをどこかで聞いた記憶があります。
家具はBAKER(ベイカー)社のものでした。
BAKERはアメリカの高級家具ブランドです。
18~19世紀の伝統的なデザインを継承しています。
置き家具は、フロアコンセントから電源をとっていて、
家具の脚にモールディングを這わせていました。
ちょっとごちゃっとしてますが、まぁここは これでいっか、みたいな。
ケーブル類も用意されていましたので、モバイル仕事も問題ありません~。
建築巾木は高さ12センチ。
ツヤありの塗装仕上げでした。
カーペットはカットタイプの短めの毛足で、
素足で歩行してもしっかりとした緻密な感覚。
オリジナルのデザインなのかな、かわいらしいブルーのモチーフが
規則正しく配列されています。
壁紙は90㎝幅の、ビニールクロス。
大き目のストライプの中に、さらに細かいストライプと植物柄がほどこされているデザイン。
ストライプは、私が個人的に好きな柄です。
バーコーナーには、各種飲み物とおつまみが用意されていました。
ちなみに、伊藤園のおーいお茶が650円、缶ビールは1,000円でございます~。
はい、見なかったことにして、そーっと扉をしめます(笑)
バーコーナーはここにありまして
造作家具の中に冷蔵庫が収納されています。
扉をあけて、さらに冷蔵庫の扉をあける・・・という手間をなくすため
ワンアクションで済むよう
冷蔵庫と造作家具が連動するように金物で連結されています。
ちょっとのことですが、たいへん気が利いていると思いました。
開口部やドア枠の見付(ミツケ)寸法・・・
私はいつもこの部分迷うのですが、ザ・リッツカールトンのお部屋は
8センチで統一されていました。
ちなみにドアの框(というか、モールディング)は12㎝でして
その出っ張り具合は2.5cm
けっこうな寸法、飛び出していますね。立体的ですー。
扉(ドア)そのものの厚みは4cm。
フラッシュというよりはベタ芯?けっこう重量があるように感じました。
ツヤありの塗装です。
はい、では次、洗面室にいきますよ。
スジ模様の入った白い大理石の、床と壁。どちらも300角。
床は目地幅5㎜、壁の石は目地幅3㎜で施工されています。
洗面カウンターの高さは80㎝で、ツーボウル。
ゴールドのつまみが付いている真ん中の2つだけ実際に使える引出しで、
あとはFIXパネルです。
アメニティーはイギリス王室御用達のハイクラスブランド『Asprey』。
ボディクリーム、超~いい香りでした♪
タオルやバスローブは、とっても厚め。
吸水性もよいし、肌触りも良いのでした。
私一人でこの部屋を利用したわけですが
バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルが、それぞれ3セット用意されていまして、バスローブも2枚ありましたよ。
aspreyのアメニティやBAG、
オリジナルのタオル・バスローブ類はロビーの売店で購入可能です。
水栓金物は、ハンスグローエ。
洗面台をはさんで、バスタブコーナーのほかにシャワーブースもありました。
2人同時にお風呂入れるよ~みたいな。
シャワーブースの扉は、厚み9㎜のガラス。
水勾配は・・・えっと、このくらい。
各部納まり、こんなかんじ。
ガラス扉下端のクリアランスは20㎜逃げています。
さてバスタブ側のほうには、シャワーカーテンがついています。
このシャワーカーテンがまた、とてもかわいいのです。
ポールに通して取り付けた簡易的なバランス(上飾り)と、
バスタブ内部側のカーテンと、
バスタブ外側用のカーテンと・・・3パーツになっています。
裏側から見るとこんなかんじ。
ハトメカーテンとして仕立ててあって、リングで簡単に取り外しが出来る。
脇と裾に紺色とカラシ色の切り替えしで縫ってあって
ほどよいアクセントになっています。
さて、お部屋のほうに戻りますよ。
窓回り。
ストライプの生地で仕立てたスワッグバランスと、
たっぷりとしたドレープカーテン。
このドレープカーテンはダミーでして実際に開閉はできません。
裏から見るとよくわかります。
カーテンレールは全部で4本走っていますが
手前の2本は、上飾り用とダミーのドレープ用。
実際に開閉するのは、奥にある遮光カーテンとレースカーテンです。
レースカーテンはサイドのウェイトを入れた本縫い仕様。
遮光カーテンは、モアレ模様の生地に裏地を付けた2枚仕立てになっています。
ダミーのドレープカーテン、束ねているタッセルもデカイのですが
鉄板のようなものでガッチリとホールドされています。
これらのカーテンは電動式になっていまして
ベッドサイドに置いてあるチェストの操作ボタンで開け閉めをします。
一見普通のチェストですけれど、取っ手を引っ張ると・・・・
操作パネルが出現します♪
室内には数か所に額縁や鏡が飾られていますが、
すべてそのセンターが140㎝の高さになっています。
何がすごいって、そのことに気付いた私がすごいです。
・・・んなことないか。
インテリアコーディネーターなのでね(笑)
床から60㎝~150㎝の間をゴールデンゾーンと言いまして
一番見やすい位置としてお店の陳列棚などのプランニングにも取り入れられているのですが、とくに140㎝という高さは普通に立ったときの人間のアイレベルを意識した寸法。
おそらくそういうことをちゃんと考えられている設置高さだろうと思います。
ここも。
ここも。
・・・とかね。
天井面には一切の照明がありません。
ベッドサイドのスタンド照明、デスクライト、廊下のスタンド照明。
・・・以上。
それでも、灯りは十分です。
・・・さて。
そんな感じでまぁ、はしたなくお部屋をガサゴソやりましたが
シンプルな白いシーツ(ストライプ柄でした)
分厚いタオル
満足のいく水圧のシャワー
いい香りのボディクリーム
くつろぐには十分な空間です。
一般の個人邸のお客様から「ホテルのような寝室に」というご要望は
大変多いのです。
ホテルのような・・・って、具体的になに?と考えれば
まさに、
余計なものがない
・・・そういう空間づくりになっていくんだろうと私は思っています。
というわけで。
ホテルリポートおしまーい。
<番外編>
と思いましたら、ドヤドヤと入ってくる謎のお二人登場。
「うわー、最上階やん。どうしたん!?」
「わ、みてみて、シャワーカーテンめっちゃかわいいやん」
「こんなんえぇなぁ、これ、いろいろ提案の応用できそうやなぁ」
「へぇ、なるほどなるほどなるほど。こんなんなってるんやなぁ~!」
再びホテルチェックが始まるのでした~(笑)
というわけで、かけつけてくれたスペシャルゲストは
シービーソウムの吉川さんとスパイラルの水田さんでした。
<翌朝編>
おはようございます・・・。
ルームサービスで朝食をいただきました。
食器類はすべてノリタケ
シルバーはドイツのHEPP社のもの。
ごちそうさまでした。
チェックアウト11:00
ではまた~。
(2014.7記)