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北海道旭川家具工場めぐり (2013.7)

2012.07.26

エフドライブデザインは、旭川の家具屋さんです。
東京のオーダー家具屋「トゥクリエイト」さんをはじめとして、
いつもjayblueがお世話になっている人たちです。

天気に恵まれた北海道は、
山の頂上にうっすらと雪が見えていましたが夏の暑さ真っ盛りの2日間。
普段は見ることのないオーダー家具の製造ラインをあちこち見学させていただきましたのでそのレポートをお伝えします。

突板(つきいた)・・・・って聞いたことありますか?

家具の材料の説明書のところに「天然木突板」という表示、
見たことあるなぁ、聞いたことあるかも、って人もいらっしゃるかと思います。

無垢(むく)というのは「木そのもの」です。
1枚の板は、まさに1枚の板そのものなのですが・・・
反ったり割れたりというふうに暴れますので、
製品としては品質が安定しなくて多少気を使う必要があるし、
値段も高いし、
それにみんながみんな無垢材を使っていたら、

あっというまに森林伐採が進んで木がなくなってしまいます。

それに対し「突板(つきいた)」というのは、
木をスライスしたものです。
ペラペラの、かつおぶしみたいなもんです。
1枚の板からたくさんスライスすれば、
本物の木目を手に入れつつもみんなで資源を分け合うことができます。

この、薄くスライスしたペラペラの鰹節状態の木を
ベニアなどの基材となる板に貼りつけることで
表面上は「無垢の、本物の」木の質感を手に入れることができ、
なおかつ割れたり反ったりしない安定した製品を作ることができるのです。

家具やフローリングなどに使われていきます。

「今度の◆◆邸で使う突板が入荷したって連絡がきたので見に行きましょう」
「お、それはいいタイミングでしたね~♪」

ということで、突板屋さんにおじゃましました。

「これです、これ。◆◆邸で使う、クルミ」
「どう?」
「いいねぇ、木目キレイ♪」
「キレイな部分選んでセリ落としてきましたから」

「これで何枚ぐらいあるんですか?」

「こっちの束が600枚ぐらい。これだと・・・1束400枚ぐらい」
「この一束いくらぐらいすると思います?三宅さん」
「え・・・え・・・っと・・・・いくらするんだろう」
「このあたりのもので、20万円ぐらいします」
「この一束全部、◆◆邸の家具をつくるために使う分です」
「わぉ」

「このクルミは中国産。クルミはロシア産が多いのですが中国産も白くて人気がありますよ」

「そうだ、ちょっと珍しい突板入手してるんでお見せしましょうか。これはね・・・マカバ。樺っていわゆる、バーチ・・ですけれど、マカバはこう、もっとね、赤くて・・・」

「今はタモとかナラ材が厳しいんですよ。乱獲しすぎて。たぶん、このままいってしまうと近い将来は手に入らなくなるんじゃないですかね」

「タモとかナラって・・・なんか低コストであちこち出回っている定番のイメージありますけど」
「いや。とにかく乱獲しすぎなんです、この木は」

「じゃぁウォールナットは?」

「ナラとかタモは中国とかそっち系でもうだめだけど、ウォールナットは北米系なんです。北米地域の樹種はまだたくさんあります。コストは高いんだけど、安定供給できるから・・・最近ウォールナット多いですよね、流行ってますでしょう?材料として入手しやすいからですよ」

「これはチェリー材ね。これもキレイですよー」

「突板って・・・中国産なら中国で製材されて輸入するんですか?」
「いいえ。中国からは丸太の状態で入ってきます。材木屋のとこで競り合って入札したものを北海道で薄くスライスして突板にします。0.2ミリぐらい。フローリングとかに使うなら厚ヅキ単板で、それでもうちが使うのは0.55ミリのやつ」

せっかくだから、加工場の中もご覧になりますか?
ということで
ペラペラのかつおぶし状態の突板をベニアに貼りつける工程を見せていただけることになりました。

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 突板屋さんの加工場見学。

ローラーがぐるぐる回っている。
その間をベニアの板を通すと均一に全体的に糊付けがされていく。

ベローンと、ベニア板が出てきました。
表面にはベッタベタに糊が付いています。

作業台の上にベニア板をサっとひろげ、
かつおぶし状態の突板を手際よくのせていきます。
女性2人…静かな作業。

窓から射す木漏れ日が、その手元を照らし出す。

どこかの山で生えていた1本の木。
木目が美しいからと、遠く離れた日本にやってきて、
薄くスライスされる。

一方、見た目は美しくないけど丈夫で安定している「ベニア」
機能面は俺にまかせろと「芯材」として頑張ってくれます。

そして、加工場で両者が一緒にくっつきます。

1枚のベニアに対し、6枚の突板を使いました。
この板を、さて今度はプレスします。

近くに立っているとやたらに暑い・・・プレス機。
100度の温度を与えて、接着を安定させています。
1分後に取り出した板をさわると・・・・ほっかほか~。
(てか、ちょっと熱かった・・・)

ほかほかの温かい板をもちながら、
端っこのいらない部分を切り落としていました。
ハラハラと足元に落ちていく切りくず。

こうやって、ペラペラのかつおぶし状態だったものが1枚の「板」として製材されて、
それぞれの家具をつくる工場などに出荷されていきます。

オーダーの家具を作るということは、
サイズやデザインだけでなく、
樹種を選んだり、
木目を指定したり選んだりするところから
こだわることができるんです~。

「これはホワイトオークです。こっちも同じホワイトオーク。樹種は同じだけど指定する箇所によって表情が違いますでしょ」

「へぇー。違う種類の木に見えますね」

「向かって左のほうが・・・なんかちょっと和風なイメージで使われたりします。向かって右のほうが・・インテリアショップ系に卸しているホワイトオーク。時代のトレンドに即しているほう、って言えるかな」

「jayblueさんの家具つくるときは、こっちの右側のやつを指定するようにしていますよ」

「なるほど~」

「あっちに置いてるのは今度タイムアンドスタイルさんに納品する板」
「そこのこれは・・・」

いろんなインテリアショップで出回っている家具たちも
元をたどればこういう加工場から来ています。

一流メーカーの家具も、
jayblueでご提案するオーダー家具も、

実は出所は一緒だったりします。

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さて、こちらは家具の製作工場。
実際に家具を作ってくれる職人さんたちの職場です。

先ほど見学した「突板屋さん」が作ってくれた板は、
ベニアの表面にキレイな木目のものをくっつけたまだペラペラの板ですからつまり「材料」の状態。
このままでは家具になりません。

扉の厚みは21㎜だの、
棚板の厚みは24㎜だの、
カウンターの厚みは40㎜にしてくれだの・・・

私たちが出した要望通りのサイズになるように、
木枠を組んで指定の厚さになる「板」を作っていきます。

すごい重さでプレスして接着します。

いろんな道具を使って職人さんたちが家具を作ります。

見覚えのある図面なんかが広がっていて、
あ、うちのお客様の家具も作ってくれてるんだなっていうのがわかる。

何かが書き込まれているのでのぞいてみると・・・
何が何枚必要で・・・・なんていう計算だと思われます。
5414はポリ・メラミンの品番で、白い板のこと。
4×8は俗にいうシハチで、1200×2400の大きさの板のこと。
とかね。

「三宅さん、いい写真とれました~?」
「はい、おかげさまで~♪勉強させてもらいましたー」

自分の影を・・・パチリ(笑)

作っている工場
作っている人の顔。

どんなテンションで仕事をしているのか。
どんな環境の中で作られているのか。

作っている人たちは、
見えないお客様を想像しながら
喜んでもらいたいなぁという思いで黙々と家具を作っています。
自分で納得できるクオリティを守り
ひと手間もふた手間もかけながら
お客様は気づかないような部分にも精度を求めて作業をしています。

そして、

わぁ嬉しい
わぁこんなに立派に作ってくれたんですね
わぁすごい
ありがとう

家具をお届けしたときのお客さまの感動は
なかなか製作者たちの元までには届きません。

家具屋さんは心を込めて作ってくれてますよということをお客さまに伝える。
お客さまがすごく喜んでくれましたよということを制作者たちに伝える。
すういうのも・・・
インテリアコーディネーターのひとつの役割・・・かもしれないなぁ。

そんなことを思う旭川でございました。

2013.7

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インテリアコーディネーター
三宅利佳

 


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