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部屋に個性を!色のある暮らし「壁ペイントのすすめ」

2017.8.24 Thu.

阿部公房の『壁』という小説には、
名前に逃げられた男が登場します。

いつもと変わりない朝を迎え、
いつものカフェで出勤前に朝ごはんを済ませ、
会計を済ませようとサインを書こうとしたときに気が付くのです。

おや!名前をなくしてしまったぞ!と。

そこから奇妙な世界に引きずり込まれていきます。

会社に出勤すると自分の席には自分の名刺が座っていて、
何事もないような顔をして仕事をしている。
いったいどうなっているのだと会社を飛び出し
名前喪失の原因探しに奔走しはじめる。
ヘンテコな登場人物にたくさん出会うのだが
いっこうに自分の名前を取り戻せない。

自分の名前を忘れるなんて。
そんな馬鹿な。
歩き疲れた男は椅子に腰かけ、
たまたまそこにあった雑誌をパラパラとめくったら、
印刷されていた景色が消えてページが白紙になり、
男は「景色を盗んだ罪」で裁判にかけられてしまう。

理不尽だ。

名前をなくした(名前に逃げられた)男は現実の世界での存在権を認められず、
有罪判決を下される。

世界の果てに逃亡し男は「白い壁」になってしまう。

そんな内容の、なんとも奇妙で面白い小説です。

 

壁 (新潮文庫)
壁 (新潮文庫)

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安部 公房
新潮社
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さて。

名前をなくしたわけではありませんが
私たちのまわりには白い壁がたくさんあります。
まわりにあるほとんどの壁は白い、
と言い換えてもいいかもしれません。

海外の住宅に比べて、日本の室内の壁には色がありません。

日本人が白い壁を好むのは、
それほど広くない住宅事情と、
DIYの文化が欧米に比べて根付いていないため

■少しでも広く見せたい
■圧迫感のない部屋にしたい
■どんなインテリアとも合わせやすく長年飽きが来ないものにしたい
■無難なものがいい

という考えがあるのだと思います。

あるいは

■そもそも壁は白いものである

という思い込み、生まれ育った環境での慣れがあるのかもしれませんね。

壁に色を付けてみると、グっとインテリアに個性がうまれます。
既存の壁紙の上から塗れる水性の塗料があります。
DIYにチャレンジしてみるのも楽しいと思いますよ!

オススメは以下のメーカー。

ROOM BLOOM(日本ペイントが手掛けている塗料ブランド)
ベンジャミンムーア(130年の歴史。アメリカの塗料ブランド)
カラーワークス(アメリカの塗料)
ファロー&ボウル(90年の歴史。イギリスの塗料ブランド)
ポーターズペイント(オーストラリアの塗料)
アニースローン(イギリスの塗料ブランド)

それぞれに、素敵な色のバリエーション豊富な塗料を扱っています。
水性塗料は油性塗料に比較してニオイが緩やかですので、
室内の仕上げ材として向いています。

壁紙をはがすことなく、上から重ねて塗ることが出来ます。

今まで白かった壁にほんの少し色を加えるだけで
劇的にインテリアの印象が変わります。

安部公房の小説の中では、名前を無くした男は白い壁になりました。
アイデンティティを失った者の結末が白い壁だというのは
なんだか暗喩のような感じがします。

色は個性、です。

水色やレモンイエローやモスグリーンやネイビーブルーなど!
・・・自由に色を取り入れてみませんか。

 

jay blue
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