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吉阪隆正展パノラみる/東京都現代美術館

2022.6.14 Tue.

2022年6月19日まで開催中の吉阪隆正展。東京都現代美術館。

私はそれほど建築に詳しいわけでもなんでもないのでこれといって吉阪隆正への思い入れもなく、ただなんとなくフラットに足を運んだ企画展でしたが、見ごたえたっぷりで大満足でした。

もう40年くらい前に亡くなっている建築家ですが、人は消えても建物は世に残っているというのが、建築家の仕事の醍醐味というか面白いところですよね。

吉阪隆正に限らず、隈研吾さんもそうですが、建築家の人たちはしばし自分が設計する建造物を「地球上に大きなごみをせっせと生産している」というような言い方をします。圧倒的なサイズ、堅牢な構造物は、ともすれば自然界に対しての暴力的な行為ではないかと思っている。だからこそ、いかに自然に溶け込ませるかだとか、いかに有機的なフォルムを求めるかとか、どうやったらうまいこと朽ちていけるだろう、みたいなことを模索したくなるんでしょうね。

ある建物を設計した、その作品を見る、というよりは、そこに至るまでのつくりあげていく過程そのものが重要であって、そこで起こるいろいろな行為こそが軸である、と彼が言う通り、この企画展は吉阪隆正の言葉や走り書いたものをたくさん見ることができます。

吉阪隆正はスイスで育ち、戦後はパリでル・コルビュジェのアトリエに弟子入りして設計に携わっています。だから彼の作品の要所要所にはコルビュジェの思想を感じることができます。

 

素敵な言葉があったので置いておきますね。

美しいものを手に入れたとき
ひとびとはこころに誇りを持つ
ひげから国土まで、それを求めたい
-吉阪隆正-1975年

 

ではまた!

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