おまえはどこのねじ

唐突にねじが現れる。
実に不思議なんだけれど、唐突にねじが転がっているのを発見することがある。家じゅうのいたるところで。インテリアコーディネートの仕事をしているので、どこかの現場でうっかり荷物に紛れて自宅に連れて帰り、それがポロリと落ちて、ある日、部屋の隅から出てくるのだろうと思っている。あるいは・・・最近猫を飼い始めたので、猫がどこからか引っ張り出してるのかもしれない。でも、理由はそれだけではない。外から持ち込んだものではなく、やっぱり家の中の何かの部品なのだ。


昨日までここになかったものが、朝起きたら転がっている。「ん?」って思うのだけれど、上をみあげてものっぺらぼうな天井しかないし、下をみたって・・・・フローリングしかない。どこから出てきたのだろうと不思議に思う。

それで、しばらくすると、キッチンの、行平鍋の取っ手のねじが一つ外れていることに気づいたりするし、ロフトにあがるためのハシゴ階段の最上段のねじが一つ消えていることに何か月もたってから気づいたりする。あぁそうか。以前みかけたあのねじはこれだったんだ!と後になってわかることもある。

確実に、家のどっかしらのなにかしらの、ねじはとれているのである。家はゆるやかに解体されている。人知れず。

ビス?ねじ?

ところで現場では「ビス」という言葉を多用するんだけれど「ねじ」という言葉はほとんど聞いたことがない。ビスとねじは何が違うんだ?という問いかけに超簡単に答えるとするなら・・・先がとがってるのがビスで、とがってないのがねじ。・・・と私は認識していたのだが、あってる??

中学時代の同級生に「ねじ君」というニックネームのついた友人がいる。なんでねじなんたっけ?と、同窓会の席で改めて聞いたら、ねじみたいだからだと言われたけれど・・・ねじみたいな中学生ってなんだったんだろう。(子供っって変なニックネームつけるよね)

50歳になりますがいまだに彼は「ねじ」と呼ばれます。
ひょうきん者のいいやつです。